「かーれん、立たされてたねえ。まあた寝てたの」

「だってさ~、、あいつの授業つまんないし、眠いんだよ、成長期!」

「それなのに頭いいのとかずるいよねえ、あ、そうだ、今日カラオケ行こうよ。いいでしょ?」

「私はいいけどさあ、志穂あんた金ない~、って騒いでたよね?大丈夫なの」

「大丈夫、大丈夫~。じゃあ、放課後ね。」

はあ…、眠い、次の授業が始まるとそう小さく呟き私は机に突っ伏した。

ふと目が覚めると授業も残り10分

今から寝るにもどうも目が覚めてしまい眠れない

ぼんやりと授業を聞きながら私は小さく机に猫の絵を描いた。
絵を描くのは嫌いじゃない、特別に上手いわけでもないが暇なときには絵を描いている気がする。

丁度描き終わったとき授業の終了を示すチャイムが鳴った。今のが今日最後の授業だ。今日も退屈な学校から解放されたと思わず顔がほころびた。

「あ、華恋にやけてる~。いいことでもあったの?」

にやにやとからかってくる志穂

「別に~、さ、カラオケ行こ」

そんな志穂を受け流しながら私は教室を出た。

志穂は高校で出来た友達だ。割と冷めた私とキャピキャピした志穂は性格こそ正反対なものの何かと気が合った。一緒にいて気が楽な大切な友達だ。いや、こういう時は親友とでも言うべきだろうか。

まあ、志穂のことはどうでもいい、今大切なのはカラオケだ。少ない高校生活を楽しむために今のこの時が私にとって一番大切なのだ。