すっかり騙されてた。

すっかり思い込んでた。

すっかり勘違いしてた。



健吾が葵とも私ともタメで、高校三年生だと。


健吾の弟は、健吾とはいくつか歳が違う弟のことだと。


健吾の弟は、未成年だと。



「でも結婚式の時、健吾が葵とクラス同じって言ってたじゃん!」



そうだよ!


あの時は確かに、葵と同い年ようなことを確かに話してた。


私は聞いたぞ!



「あれは冗談だよ。まだ自分が高校生に見えるか、美鈴で試したかっただけだと思う」


「じゃ、じゃあ、何で葵も菊哉もタメ語で話してんの?!」



次々に分かる真実と私の勘違いにイラついて、つい感情的になってしまう。


だって、どう考えたって健吾が葵の4つ上には見えなかった。


もし本当に4つ上で私で試したかったんなら、その必要は無いくらい高校生に見えた。



というか高校生にしか見えなかった。



「俺と菊哉は健吾に1対1の喧嘩で勝って、健吾にタメ口でいいって言われたから」



だから葵のその言葉も信じられなくて、私の頭はショート寸前からショートになってしまった。




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