でも葵はファンタを飲みながら

番号を調べられる事が、まるで当たり前のように話してくれた。



「何十人も人使って調べさせるんだよ。俺も中学の時はよく他中からイタ電された」



こえーな…。

何十人も使うのか。

そこまでして私の番号を知りたかったのか。


やっぱりそういう世界は怖い。

何か、人の使い方が違うと思う。



「明後日までくらいはイタ電あるかもしれねぇから、携帯の電源切っといて」

「あ…うん」

「でも後はこねぇと思う。俺ももう関わることはねぇし」

「…喧嘩しないの?」



私が心配そうにそう言うと、

葵は私の頭を撫でながら“約束だしな”と言って最後のファンタを飲み干した。



葵にとって、この前の喧嘩はもしかしたらけじめだったのかもしれない。


この前の喧嘩の原因は詳しくは知らないけど、私が心配しても何しても止められなかった。


そこまでした喧嘩なんだから、葵がどうしても参加しなきゃならなかったんだと思った。


だけど葵は私の約束を守ろうとしてくれてる。


この前の喧嘩は葵の中で最後の喧嘩と決めていて、それで体張って私のとこに帰ってきた。



そんな葵を愛しいと思うからこそ



聞いてしまったのかもしれない。



「この前って、何で葵が喧嘩しなきゃならなかったの?」



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