「…城田…美鈴です…」



私がそう言うとその赤茶の人はニコッと笑って葵の肩を抱いた。



「俺は慎悟ね。葵とは中学の時連んでた仲で大親友だから宜しく」



“宜しく”と私も挨拶しようとした時、慎悟に肩を抱かれていた葵が私の腕を引っ張った。



「宜しくしなくていいから。慎悟も人の女ナンパしてんじゃねぇよ」

「こえー」

「うっせ。つか他のゲーセン行こうぜ」



欲しかった黄色い猿のぬいぐるみと、まだ笑ってる金髪集団を残して私と葵はゲーセンを出た。



葵がゲーセンを出たいと言った時正直言って安心したのが本音で

私もゲーセンを出たいと思ってたから丁度よかった。



葵と二人でまた二ケツして近くのもう一つあるゲーセンに向かった。


もう一つのゲーセンに着くと、私は真っ先にあの黄色い猿のぬいぐるみがあるか探した。


でも、どのユーフォーキャッチャーを見ても同じものは無くて、


結局パンダのぬいぐるみを葵の好意で2つ取ってもらった。




「ねえ、さっきの人たちも……この前の喧嘩に関わってたの?」




ゲーセンで色々ゲームをして出てお腹が空いたという葵のために近くのファーストフード店に入った。


そこで私がそう聞くと

ポテトを食べてた葵の手がぴたりと止まった。




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