「人の女に暴力振るってんじゃねぇよ」
「暴力じゃねぇだろ!軽く叩いただけだ!なぁゆず?」
「叩いたって暴力だよね。だって美鈴痛いでしょ?大丈夫?」
「全っ然大丈夫じゃない。痛くて痛くて仕方がない」
「おまっ…、うそついてんじゃねぇよ!」
「てめぇは人の女に怒鳴ってんじゃねぇよ。てか痛ぇっつってんだから慰謝料払え」
「慰謝料払えー」
「なっ!祐吾さんまでっすか?!」
さっきまで泣いてた私が嘘だったかのように、今はいつもみたいにくだらないやり取りで笑ってる。
それがとても幸せな私は、単純なのかもしれない。
卒業式が終わった後、菊哉のラーメン屋に葵とゆずと菊哉と私で向かって打ち上げをした。
他愛もない話をたくさんした。
くだらないことをたくさん話した。
どうでもいいことをたくさん話した。
それなのに話が止まらなかったのは、この4人だからだと思う。
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