「大学に行かないって決めたんなら行かなきゃいい。他にしたいことがあるならすればいい」



てっきりお父さんは………私が大学に行かないことを怒ってるのかと思った。



お父さんは自分が大学に行かなかったから、

私には大学に行って、大学の楽しさを感じてほしいって前に言ってた。



だからてっきり、大学に行ってもらいたいって私に思ってる、って思ってた。



だけどお父さんはそんな素振りもせずに『行かなきゃいい』なんて言うから………


思わず聞いてしまった。



「……大学行かなくて……いいの?」



お父さんは私に大学行ってもらいたいんじゃないの?

自分が経験してないことを、私に経験させたいって思ってたんじゃないの?



もしお父さんに『じゃあ大学行け』って言われても、行く気なんかないくせに、そんなこと聞く私。



「行ってもらいたいっちゃ、行ってもらいたいけど。お前の人生だしな。お前のしたいようにすればいいって思う」



そんな卑怯な私に、お父さんは優しく笑ってそう言った。



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