泣き出した私を、困惑した顔で見てきた葵は『最近よく泣くな』って軽く笑って、

近くにあったティッシュで私の目から出てくる涙を拭ってくれた。



それからというもの、私は涙を抑えきれず泣きながら、途切れ途切れだったけど、葵に言いたかったことを全部言った。



葵はお母さんの年齢を聞いたらきっと驚くだろうって思ってたのに、葵は驚かなかった。



むしろ“やっぱりな”って顔してて、私が『何で驚かないの?』って聞いたら『若ぇだろうなとは思ってた』って返ってきた。



確かにお母さんは見た目からして、友達のお母さんと比べたら若いのかもしれない。



きっと葵にもそう見えてて、だからこそお母さんの年齢を聞いても葵は驚かなかったんだと思う。



葵は特に私に気を遣いながら私の話を聞くわけでもなく、いつも私の話を聞くみたいな感じで、私の話を聞いてくれた。



ある意味それが葵にとっての気遣いだったのかもしれない。



.