その後マッハで支度をして一階に降りると煙草を丁度吸い終わった葵がリビングにいた。



さっきは怒っちゃったのかなって思ったけど、葵は今まであのパターンで怒ったことはない。


なんだかんだいって私がどこから本気で怒るか分かってるみたいで


私が本気で怒る前には必ず止めてくれるし、怒ったりもしない。



今だって、煙草を吸ってたとこを見ても私を待っててくれたんだと思った。




「今日、雨降るって?」


「いや、降らない」




葵はテレビとリビングの電気を消して自分の鞄を持つと、テーブルに置いてある煙草を取った。



私は雨が降らないことを知ると、玄関にかかってる自転車の鍵を取って家から出た。


葵も後から出てきて、私は家の鍵を閉めた。




「今日どっか集まるの?」


「ああ。たぶん菊哉が集合かけてきたから遅くなると思う」


「そっか。って、え?ちょ、今日も私んち泊まんの?」


「当たり前だろうが。今日はお前のこと寝かせねぇつったじゃん」




葵くん。



そういう系の話は覚えてるのね。



それはさておき、葵が煙草を学校に持って行くってことは悪友たちと集まる合図だから

今日は一緒に帰れない。




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