すると金髪男は真剣な顔をした。



「康介さんが認めてる人って、どんな人なんだろうって思ったんです」

「………」

「ケンカ強ぇらしいし、信頼感あるらしいし、康介さん認められてるぐらいなんだから凄い人なんだろうなって思って……」

「………」

「だから……会って、そいつに勝って、康介さんに俺の方が強いんだってアピールしようと思ったんです」

「………」

「でも無理でした。本当に………失礼なこと言ってすみませんでした。それで、あの…」



そのあとに金髪男は『今度またゆっくりお話させてください』と頭を一度下げてから、

自転車置き場から数人の不良と一緒に静かに去っていった。



それからというもの、葵と私もすぐに校舎内に入ってお互いの教室に入った。


もちろん私は担任に深いため息をつかれた後、『またお前は!』と叫ばれて叱られた。



学校では特に何も無く普通に過ごした。



けど、唯一変わったのは葵の“最強の金髪”のウワサのせいで葵が有名人になったことで……。



学校って怖いなって思った。

康介さんがわざと葵のケガしてる部分を狙ったから葵が負けたことも、知らないと葵が勝ってたなんて思えないのに。



学校のほとんどの人がその事実を知っていた。



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