金髪男はそれからずっと葵にペコペコと頭を下げて、何度も『すみませんでした』って謝ってた。
でも金髪男が真実を話してくれたおかげで、葵が“最強の金髪”ってウワサされてる意味が分かった。
それに康介さんの葵に対する気持ちも知れてよかったと思う。
確かに康介さんは舞子さんを傷つけて良い人とは言えないけど、康介さんも康介さんなりに悩んでたんだって思う。
自分を嫌ってる葵のことを認めてる康介さんが何故、この金髪男を次に認めたのかは分かんない。
でもそれに偽りなんか何もなくて、葵と同じくらい金髪男のことを認めてるからこそ
………金髪男を総長に選んだんだと思う。
「お前、何で俺を待ってた」
朝のホームルームが終わるのを告げるチャイムが鳴り終わると、頭を下げたままの金髪男にそう言った。
『え?』って弱々しい声を出して顔を上げた金髪男に、最初の時の威勢のよかった金髪男はどこにもいなかった。
でも確かにそうだった。
金髪男は真実を話すためだけに葵を待ってたんだろうか。
待ってた理由はそれだけじゃない気がする。
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