そのあと葵に『ドジすんなよ』って言われて、菊哉が葵の真似して『ドジすんなよ』って言うから
ムカついて足を踏んでやった。
結局退学にはならず、停学もまぬがれて、呼び出された本当の理由は女の私が巻き込まれたことらしい。
退学になんなくて本当に安心した。
ていうか、ホッとした。
けど、ここら辺で1番強いといわれているチームのデビルとケンカした葵は、いっきに学校の中で有名になった。
翌日の朝、いつものように自転車で2人乗りしながら葵と私が学校に入ると、
自転車置き場に、ガラの悪い男子生徒数人がこっちを睨みながらしゃがんてた。
「あの、」
金髪の男は気だるそうに立ち上がって、自転車を自転車置き場にしまう葵に小さく低い声で声をかけてきた。
「あ?」
自転車をしまい終わった葵は、声をかけてきた金髪男にいつもより低い声でそう言った。
怖い。てか怖すぎる。
不良の世界ってこんななの?
こんな怖いの?
睨み合う金髪の男2人を怯えながら交互に見てた私の視線は、ふと相手の金髪男の胸元にいった。
金髪男はこの学校のネクタイをしてなくて、ブレザーの下にはフード付きのパーカーを着てた。
ネクタイをしてくれていないのは、こういうとき非常に困る。
うちの学校はネクタイで学年が分かるようになってて、
3年生は青で、2年生は赤で、1年生は緑って分かりやすく学年色になってる。
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