その瞬間ほんとにヤバいって思った。

私の命危ないって思った。

もう私の人生終わりだって思った。



「ふーん」



真面目な顔からニヤリと何かを企んでるような狼の顔に変わった葵。



私の両腕を葵の両手が掴んでベッドに押さえつけてて、その力が強くなった。



だから腕を解放されたくて、両腕を動かそうと頑張ってみたんだけど………。



ビクともしない。

1ミリも動かない。

これが………男と女の力の差なんだろうか。



その私の行動を見てた葵が再びニヤリと笑って、その笑顔とは裏腹に、いつもより低い声を出した。




「あんなこと言っといて、俺のこと拒むんだ?」


「…え?」


「こうやって拒むんだったら、最初から誘ってんじゃねぇよ」



聞き方によっては、笑ってるようにも聞こえるし、怒ってるようにも聞こえる葵の声。



「1人で盛り上がらせるな、ばーか」



でも………寂しそうにも聞こえた。



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