キスしてる相手が、愛しの彼女が目の前で瀕死の状態でいるっていうのに。



この金髪の男は何にも気づいてないかのようにキスを続ける。




「……んんっ…」




ましてや、私の後頭部に手を回してがっちりと押さえて、さらに深いキスをし始めた。



だけど本気の本気で生死を彷徨い始めた私は、酸欠だと伝えようと葵の首に手を回した。



けど、それが逆に葵のスイッチを押しちゃったみたいで…。




「ひゃ…っ!」




唇は離されて、新しい空気を吸えたものの、色気も何もない悲鳴が出た私。



私に見えるのは天井で、もっと近くに見えるのは真面目な顔した葵で、私の腕を掴んでて。




「………」

「………」

「……何…これ…」

「お前が誘ったんだろ」




私はどうやら葵に床に押し倒されたみたいです。


ピンチです。


どうやらピンチのようです。



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