「泣くな、泣きべそ」



いつもみたいに人を馬鹿にしたような笑いでそう言う葵を見れて、


なんだかとても嬉しくなった。



「うるさい」



拗ねたようにそう言う私に。



「素直じゃねぇなぁ」



いつもみたいに私のおでこを人差し指で突っつきながら言う葵。



これからはもう二度と葵を疑ったりしない。


葵を信じたい。


ずっと信じたい。



それは………葵とこれから一緒に歩んでいきたいから。




「……ねぇ、葵」


「ん?」



私寂しかったよ。

1日離れてるわけじゃないし。

遠距離なわけじゃないし。

いつも放課後会わないときのほうが長いけど。



“別れてる”ってだけで、とても………葵が遠かったよ。



もうこんな寂しい思い………したくない。




「離れるの………もう、やだよ」



涙ながらそう言った私を、

葵の匂いが包みこんでて、

また私は………葵に力強く抱きしめられてた。



そして耳元で熱く甘く………囁かれた。



「俺から離れられるわけねぇだろうが、ばーか」



葵の顔が私の顔に近づいて、静かに2人の唇が重なって熱いキスになった。



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