GOLD BOY〜不良彼氏〜




"いってぇ"と連発してる葵の手は包丁を握ってて、これは叩きすぎて殺される!と一瞬思った。



でも葵はサラダ用にキュウリを切ってるだけだったから、私は心の中でホッとした。



ここで人生が終わっちゃったら、たまらないもん。




「…でさ、本題入っていい?」


「え?」




葵が真剣な表情でそう言ったのはテーブルの上に葵の作った料理を並べてる時だった。



……え?な、何?

本題って?

本題って何の本題?



まったく何の話をしてるか分からない私を無視して葵はサラダをテーブルに置き

話を続けた。




「俺の中学の話だよ。さっき話したのはただの日常。まだ一番言わなきゃいけない事言ってねぇ」


「た、ただの日常?!あれが?あれが日常なの?!しかも一番言わなきゃいけない事って……」


「お前が気にしてることだよ」




あたしが……気にしてること…?



もしかしたら、葵は私が葵の中学時代を知りたいって言った時に気付いてたのかもしれない。



葵は中学の時、一匹狼でずっと1人で居たっていうけど



気になってた。



女の子と付き合ったり、してたのかなって……。




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