GOLD BOY〜不良彼氏〜




もしかして
もしかすると
もしかしなくても


話の途中で寝ちゃった私に怒って帰っちゃったんじゃない?!


私から知りたいとか聞きたいとか言っときながら怖い怖い言ってる私にムカついて………


無神経なほどに人の話の途中で見事に夜まで寝ちゃった私にイラついて………


帰っちゃったんじゃないの?!




「あ、起きた?」




台所からした声。


振り返るとそこには腰エプをつけた葵が立っていた。



"あ、起きた?"じゃねぇよ!

心配したじゃんよ!

怒ったのかと思ったじゃんよ!



そんな私の心の中を読み取れない葵は当たり前のように台所で何かを作ってる様子。



怒って帰っちゃったんじゃないかって心配してたのに

平然とした顔で立ってる葵に少しだけムカついた。


だから、睨んだ。


ムカつくビームを送ってやった。



そのビームに気付いたのか、葵は




「何だよ。まださっき話のこと怒ってんのかよ?」




とだけ言って、私の座るソファにゆっくりと近付いてきた。




「別に怒ってないよ。ただ、ちょっとだけ怖かっただけだし」


「ちょっとじゃねぇだろ、あれは。かなり怖がってなかった?」




またムカつくことばっか言うから私の隣に座る葵の頭を容赦なく力いっぱい叩いた。




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