目を開けると一番先に入ってきたのが古びたコンクリートの天井で、やっぱ此処は倉庫なんだって分かった。



さっき誰かに頭部を殴られた所為からか、体を動かすと頭がズキズキして痛い。



でも、なんとか体を反対向きに動かしたら、今自分は茶色のソファーに寝てるみたいだった。



………すると、背後からあの男の声が聞こえた。




「起きたか」




その声は私が一番嫌いな声で、今すぐにでも此処から逃げ出したくなって、体を起こした。



「……っ」



けど、やっぱり頭が痛くて逃げ足したくても、体はこれ以上動けそうになかった。



そんな私を見て、この男は怪しく笑った。



「ごめんね。でもちょっとだけだから我慢して?………葵が来るまで」


「……え?」


「あいつには落とし前つけてもらわねぇといけねぇんだよ」


「……何で?」


「あ?」


「……葵が、何であんたに落とし前つけなきゃいけないのよ」



この男は、舞子さんを、緑さんを傷つけてる康介さん。



たぶん此処は、デビルが集まってる倉庫なんだと思う。



倉庫の壁一面には、大きな布に悪魔と大きい字でデビルって書いてあるものが貼ってあった。



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