じゃあ……緑さんと舞子さんが別れたのは、緑さんを恨んでる康介さんの所為とか…?



そんな予想をして、それを葵に話してみると『それはない』と見事に言われて、外れてた。




「康介さんは緑とタメで、緑が高3の時に健吾が引退して緑が次期総長に指名されたんだ」

「………」

「その時、緑と舞子さんは別れてたけど、緑は舞子さんのことをずっと好きだったんだ」

「………」

「緑と舞子さんが別れたのは俺が中2の時で、理由は緑が舞子さんを守るためで…」

「……守るため?」

「緑が族に入ってから、他の族のやつらが舞子さんを襲うようになった」



その言葉を聞いた時、背筋が一瞬にして凍った。



「襲われてはねぇんだけど襲われそうになったことが頻繁にあって、次第に俺が守るようになってた」

「……葵、が?」

「そんで緑は俺じゃ守れねぇからお前が守ってやれっつって、舞子さんを俺に預けた」

「………」

「その頃、俺は舞子さんを好きだったから、何の理由も知らなくて舞子さんと付き合ってた」



葵の好きという言葉に胸がズキンとした。



「んで、俺は舞子さんが次第に康介さんを好きになっていってんのに気付いて…別れた」

「………」



舞子さんは………その時、葵のことが好きだったわけじゃなかったんだ。



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