隣に座ってる菊哉と葵は健吾の話で盛り上がって、2人で健吾の悪口を言い合ってた。



その悪口を聞いて、健吾が何か可哀想に思えてきた。


そこまで言わなくてもいいのに。


そんなことも思った。




「つーか、健吾のやつ話さなくてもいい余計なこと美鈴に話しやがってさ」


「ちょ…!あれぐらい別にいいじゃん!あたしだって…………」




知りたかったもん。

私の知らない中学時代の葵のこと知りたかったもん。



そういえば今まで聞いたことなかった葵の中学時代。


私も聞かなかったし
葵も話さなかった。


聞こうとも思わなかったし
特に気にもしてなかったくらい。



だけど急に知りたくなった。



例え葵の口から聞けなくても健吾の口からでも葵の中学時代のことを知りたくなった。




「じゃあ家帰ったら全部話してやるよ」




………今の言葉を聞くまでは。



何かきっと、いや絶対に裏がありそうな葵の中学時代。


それは分かってたけど、さっきまでは好奇心だけで聞きたかった。



だから、そんな葵の中学時代が卑劣で怖くて考えられないようなものだったなんて予想してなかったんだ。




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