「考えてないわけねぇだろ、馬鹿かお前は」
葵がそう答えたのは、私も葵もラーメンを食べ終わってラーメンの器が空になった時だった。
菊哉はびっくりしていた。
もちろん私もびっくりした。
いや、
私が一番びっくりした。
考えてたなんて知らなかった。
だってそんな話全然しないし。
もしかしたら、勉強すんのめんどくさいから大学行かないとか言い出すのかと……。
「大学は行かねぇで働く」
「…は?!」
………え、マジで?
マジで今大学行かねぇっつった?
んで働くっつった?
「き、菊哉と、わざわざ同じ道に行かなくてもいいと、思うんだけど!」
「菊哉と同じ道?」
そういうことでしょ?
菊哉と同じ道行くつもりだから、大学行かないで働くとか行ってるんでしょ?
そんなに張り合わなくてもいいんだけど!
私無視しないでほしいんだけど!
葵の将来には私も一応いる予定なんだけど!
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