自分が下着姿だということに気付いたのは、


葵の『美鈴のエッチー』という意地悪な言葉を聞いてからだった。



だからすぐにベッドに戻って頭まで布団を被った。



「着替えねぇの?」



でも、人の腕を掴んで着替えるのを阻止した葵がそう言うから
しぶしぶ毛布にくるまり、ベッドから降りた。



床に落ちてるブラウスに袖を通して上から順番にボタンを閉めてると、
ベッドの上からライターの火をつける音がした。



ふとベッドを見ると葵が胡座をかいて煙草に火をつけていた。



私は煙草の煙が未だに慣れていなくて、すぐにベッドの横にある窓を開けた。



「さみぃ…」



窓から入ってくる風は冷たくて、
上半身裸の葵の上半身に冷たい風がガンガン当たっていた。



「あ、ごめん」



葵があまりにも寒そうに上半身を震わせるもんだから、煙草の煙なんか忘れて
窓を閉めようと枠に手をかけた。



すると、葵が一回口から煙草の煙を吐いて



「煙たくなるから開けとけよ」



私の手の上に自分の手を置いて、ガラッと勢い良く窓を開けた。



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