寂しくて

悲しくて

気づいてほしいのに

気づいてくれなくて。

………なのに自分から話しかけにいったりすることも出来なくて。

なんて自分は臆病なんだろうと、

もう少し勇気があればこんな思いをしなくても済むのにと分かっていたはずなのに、



行動に移すことが出来なかった私は、“逃げる”という選択をしてしまった。



「…っ葵が…他の女の子と話してるのを見るのは辛くて…っ…」

「………」



私の葵に触らないで、って

私の葵に話しかけないで、って

私の葵を見ないで、って


言えたらどんなに楽だろうと思っただろう。



「それなのにっ…あたしの葵…って、堂々と言える自信がなくて…っ……逃げることしか…っ浮かばなくてっ…」



葵に話しかける女の子はみんな綺麗だったから。

私なんかよりずっと綺麗だったから。

私よりも葵にお似合いなんじゃないかって、

思っちゃったりしちゃったから、



「……帰っ…たの…っ………帰る…ことに……決めたの…っ…」


「もう話さなくていい」


「……ごめ…んなさい…」


「お前が謝ることじゃねぇ。俺が悪いんだ。………ごめんな」



そう言って葵に塞がれた口。



ゆっくり入ってくる葵の熱い舌を受け入れて、葵に合わせて舌を絡ませていた。



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