高校一年の夏の初め頃に葵と付き合い始めたから、

高校一年の夏休みに無理矢理お母さんに葵を会わせるはめになった。



イケメンに目がない私のお母さんは葵に会うなり葵のことを気に入ってしまって、

その夏休みはお母さんが葵を独占して、私は全然葵と遊べなかったのを覚えている。



それぐらいお母さんが葵を気に入ってるのを私は知っているから、

お母さんが葵の話をし出したら止まんないのも知ってる。



だから、出来れば葵の話は逸らして他の話に変えたかったんだけど――…そうはいかなかった。



《こんな遅くに葵くんちにいるなんてどういうことなの?》



どうしても私が今葵んちにいる理由を知りたいらしいお母さんが話を逸らす気配は感じない。



「話してるだけだってば」

《話してるだけ!?彼氏んちにいて話してるだけなの!?》

「他に何があんのよ」



自分の娘の恋路に興味津々なお母さんは、どこまでも葵と私の情報を知りたいらしい。



私的には出来れば、そんなことお母さんに話すなんて恥ずかしいから話したくない。



けど、今色々話しとかないと、



正月に帰ってきた時にしつこく聞かれるのが目に見えてるから今我慢するしかない。



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