いつもと全然変わらない葵を見てると、だんだんとまだ謝ってない私は罪悪感を抱き始めた。



すごく勝手だったあの時の私を許してくれたから、葵は私じゃなきゃ駄目だなんて言ってくれたのだろうか。



そうなのだとしたら、私はあの時の勝手な私と何ら変わってない。



話さなきゃ伝えなきゃ分かんない私自身の気持ちを分かんない葵を責めて、ひどいことを言ってしまった。



本当は慎悟くんの方が私を分かってくれてるなんて思ったりしてなかった。



葵が一番分かってくれてると思うし。


私も葵を一番分かってるつもりでいる。



でも、人には話さなきゃ分かんない他人の気持ちがあって、私はその気持ちまで葵に分かってもらいたくなった。



欲張りな私は、長い間付き合ってる葵には話さなくても分かってもらいたかった。



だけどそんなことは当然無理で。



そんなこと最初から分かってたつもりだったのに、でもそれはやっぱり“つもり”であって。



求めてた“話さなくても分かってくれた”慎悟くんを、私は葵と比べてしまった。



一番大事なことは、“誰が話さなくても私の気持ちを分かってくれてるのか”じゃなくて。



“葵に私の気持ちを一番早く知ってもらう”ことだったのに。





―――……葵の家に着いたら、まずは一言謝ろうと決めた。



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