間に合うな、って何のこと?と疑問を抱きながらも、私のペースに合わせて歩いてくれる葵の優しさが嬉しくて、
思わず葵の腕に自分の腕を絡ませた。
その突然の私の行動に、キョトンとする葵。
「美鈴って、そんなキャラだったっけ」
「たまにはいいじゃん」
自分でしといて今更恥ずかしくなってきた私は、葵の顔を見ることが出来ずに、そう呟いた。
視線の先にはコンクリートと自分の靴で、私は本当に恥ずかしくて俯いてしまった。
何でこんな事してんだろう!
何でノリで腕なんか組んでるんだろう!
今更だけど、かなり恥ずかしいんだけど!
自分で腕を絡ませておきながら、離すタイミングも分からなくて、
『たまにはいいじゃん』とか、余裕ぶってる発言しちゃうし―……
私って、馬鹿?
「今日の夜は長くなりそうだな」
得意の怪しい笑みを浮かべる葵はいつもの優しくてエロい葵で、内心はホッとしたけど。
その発言の意味を後々考えてみたら、私がとんでもない行動をとってしまったことに気付いた。
それと同時に、恥ずかしさと同じくらい後悔しだして、今日は眠れない覚悟を持った。
そしてたぶん向かってる場所は、葵の家だろうと感づいた。
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