だって、美味しそうなんだもん。
すごく辛そうなんだもん。
とっても、魅力的なんだもん。
今すぐ食べたいんだもん。
辛いものが好物で、辛いものに目がない私は、どうしてもその見た目からして物凄く辛そうなお菓子が食べたかった。
「こんなの食べたいと思うのなんて、美鈴ぐらいだと思うんだけど…」
「何でよ!こんなに美味しそうなのに!絶対クラスのみんなの中にも食べたいと思う人いるよ!」
私が自信満々にそう言うと、
ゆずは私の迫力に負けたらしく、『分かったってば』としぶしぶOKしてくれた。
買い物かごには“世界最強!激辛舌ヒリヒリスナック”と他のお菓子を何個か入れた。
飲み物も何本も入れてレジへ行き素早く買い物を済ました。
コンビニを出て、学校へ向かおうと歩き出した時。
前から、まだ制服姿の葵と菊哉がこっちに向かって歩いてきた。
「…ゆずと美鈴?」
「…菊哉と葵?」
菊哉は私とゆずに気付いたのか、こっちに向かって歩いてたのに、突然走ってきた。
葵はまだ私とゆずに気付いてないみたいで、携帯をカチカチといじりながらこっちに来た。
.



