退こうとする気配がない葵に
これ以上何を言っても無理だと思い無理矢理ベッドから退かした。


葵には部屋から出てもらいリビングにいるように言った。


すると『裸ぐらい今更何だよ』とブツブツ文句を言いながら納得したのか階段を降りていった。



本当に乙女心が分かって無さ過ぎるんだよあの男は。



女っていうのは何年付き合ってても何年一緒に居ても恥ずかしいものは恥ずかしいのに


葵にはそれがない。


長く付き合ってれば長く一緒に居れば恥ずかしいものはなくなるという考え方だから。



でもそういうのは夫婦とか、お爺ちゃんお婆ちゃんくらいになるまで長く居たり


夫婦になって恥ずかしさなんて忘れちゃうくらい一緒に居たり


それくらい長い年月いればそうなるかもしれない。


でもあたしにとっては死ぬまで無理な話だ。


恥ずかしさなんて隠せない。




「もういいー?」




扉の向こう側から葵の声が聞こえてついビクッとしてしまった。



リビングで待っててって言ったのにもう部屋の前にいるなんて全然話を聞いてないと分かった。



だから葵に無理矢理扉を開けられても平気なようにパッと着替えを済ませた。




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