すると、葵はストローから口を離すと顔をしかめた。
「何これ、まずっ」
「えー!?おいしいじゃーん」
「どこが。喉がいがいがする」
そう言って、リプトンを私の方に押し付けてきた。
甘いものが好きな葵なら、新作のストロベリー味も好きかなって思ったのにな。
押し付けられたリプトンを仕方なく受け取り、ストローに口を付けた。
すると、カウンターに置いてある葵の携帯の着信音が鳴った。
それはメールらしく、葵は携帯を開かずに、着信音はすぐに止まった。
「メール見なくていいの?」
「ああ、どうせ慎悟からだし」
「慎悟くんから?」
“夜のお誘い”と、その後に付け加えて、ファンタを口にした。
夜のお誘いってことは、夜中の集まりに呼ばれてるってこと。
だから今日も葵は、あの悪友たちと遊ぶんだろう。
でも最近、葵と悪友たちの関係が分からなくなってきた。
あの大きな喧嘩があった時、喧嘩の理由は知らないけど、友達を助けるために喧嘩したって言ってた。
だから、その友達が葵にとって悪友なのか分からなくなってきた。
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