頷く私に、葵は優しく笑って煙草を口にくわえた。
「兄貴1人と姉貴2人と弟1人の5人兄弟何だよ、俺んち」
そして話し始めた兄弟のこと。
5人も兄弟がいるなんて思わなかったから、葵に似た男の子を後一人見てみたいと、
ダルそうに話す葵を見ながら思ってた。
「兄弟の名前は何ていうの?」
「25歳の姉貴が紅(べに)で22歳の姉貴が黄色(きいろ)、19歳の兄貴が緑で、15歳の弟が城人(しろひと)」
……ん?
なんか名前に共通点があるのを発見してしまった。
みんな名前に色が入ってる。
紅は紅色、黄色は黄色、緑は緑色、葵は青色、城人は白色。
「葵んちの兄弟って、みんな珍しい名前なんだね」
「ああ。だから、あんま美鈴に話したくなかった」
「え?」
私が聞き返すと、葵はベッドから降りてタンスの引き出しを開けた。
「今日どうする?泊まってく?」
そんで、いきなり話を変えた。
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