見物料の意味は分からず
頭を手加減なく叩かれ
おまけにニヤリと笑われて
この男の考えてる事と企んでる事はいつになっても掴めない。
「なんなの」
あたしが睨みながら冷たくそう言っても金髪のこの男はニヤニヤが止まらないらしい。
「見物料欲しいなって」
「だから見物料って何」
「俺の見物料」
ああ、葵の見物料ね。
葵があまりにもカッコいいから見つめちゃってたもんね。
だから見物料払わなきゃね……
「……って、おい!」
「ノリツッコミの腕上げたな」
ノリツッコミしてる場合じゃないし納得させてる場合でもない。
こんな馬鹿な男の企んでる事っていったらいつもこんなんなんだから気にしない方がいい。
調子のってエスカレートされても困るし、このまま無視した方がいい。
………そう思っていたのに、あたしの頬には何故か何時の間にか葵の熱い手が触れていた。
「ちょっ…」
「今日、泊まるな」
「っな、何言って…………んん」
やっぱり葵の考えてる事は分からないし企んでる事なんか分かるはずもない。
ただ最近分かってきたのは
あたしを黙らせる時と
エッチなスイッチが入った時は
ちゅっと下唇を吸うようなキスをすること。
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