責任は持たないからと心に決めて、私の言葉を待ってる葵に話そうとした時だった。
「ねぇねぇ!葵くん、ここにいるんでしょ!?」
空き教室の向こうの廊下から、あのギャル達の甲高い声が聞こえた。
何であたしたちの場所分かったの?!
もしかして……付いてきてた?!
うそ!ストーカーみたいに後付いてきてたの?!
運良く空き教室のドアは葵が中から鍵を閉めていたから、
ギャル達が開けようとしても開くことはなかった。
けど、ギャル達は何でそこまでして裕吾さんと仲良くしたいんだろう。
そんなに自分の地位は大事なものなのかな。
高いからって何か有利になることでもある?
あたしに、その考えは全然分かんない。
地味な人も普通な人も派手な人も、みんな人であって同じ学校に通ってる学生に違いない。
ドンドン!ドンドン!
私が数分考えてると、ギャル達が開かないドアを叩き出した。
「ねぇねぇ!開けてってばぁ!」
「紹介してくれてもいいじゃんよぉ!」
「友達になって、うちらの地位上げたいだけだからさぁ!」
3人それぞれが言いたいことを言いたい放題に叫んでる。
前の2人の言葉を聞いてる葵の顔は今まで見たことないくらい怖くなって、
3人目のリーダーらしきギャルの言葉を聞いた瞬間眉間に皺を寄せてるのが横から見えた。
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