私のおでこに葵のおでこがコツンと当たる。


あと数センチでキス出来るくらいの近さになると葵は顔を近付けるのを止めて


見つめ光線を私に浴びせた。



「俺は留守番しねぇよ」


「っな、何でよ。そ、そんなに、…怖いの?」



近距離が苦手な私は、近距離になると言葉が詰まってしまい上手く話せない。



なのに変態不良男の葵は、余裕をぶちかまして話を続ける。



「お前勘違いしてね?もしかしてさ、俺が留守番しないの一人が怖いからとか思ってる?」



私の推理を、たった二言三言で裏切りやがった変態不良男。



ああ、勘違いしてたよ!!

それが何だってんだ!!

お前が留守番無理とか言うからだろ!!



全部全部、葵のせいだ。



「マジかよ。俺がそんなんで怖いとか言うわけねぇだろ、馬鹿」


「ばっ、馬鹿!?じゃ、じゃあ本当の理由は何なのよ!!言ってみなさいよ!」


「寂しいから」



…………。



…………は?



葵は私の首に甘えるように手を回してくる。


そして、耳元に近付き聞こえたのは、甘い小さな囁き。


2人の視線が交わった。



「お前いねぇと、俺寂しいんだけど」



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