そのことをきっかけに、私たちは店で一言二言の会話を交わすようになっていった。
「仕事終わったあと、会えないかな」
と何回目かのお冷やのお代わりのタイミングで彼に誘われた時には、私は彼に好意を持っていたと思う。
その日彼は、ドナルドのシャツを着ていた。
それから、それがデートの誘いの合図になった。
だから、ドナルドのシャツの本当の意味はデートの誘いで、それは私しか知らないことだった。
カップルだらけの店内を、なんで土曜日に働かなきゃいけないのよ。と機嫌を悪くしていた私を彼は土曜日は楽しいもの、に変えてくれていた。