「本、お好きなんですね」
と訊くと、彼は少し考えた顔をした。
「正直に言うと、そんなに好きじゃない」
意外だった。
店では静かに本を読んでいる印象しかなかった。
「カフェで文庫本を読むというスタイルが好きなんだ」
この人はただのナルシストだったのかと、その時思った。
「でも、こうして」と本を少し上に掲げ、
「たまに面白いものに巡り会う」
とはにかんだ笑顔は、店では見ることの出来ないものだった。
と訊くと、彼は少し考えた顔をした。
「正直に言うと、そんなに好きじゃない」
意外だった。
店では静かに本を読んでいる印象しかなかった。
「カフェで文庫本を読むというスタイルが好きなんだ」
この人はただのナルシストだったのかと、その時思った。
「でも、こうして」と本を少し上に掲げ、
「たまに面白いものに巡り会う」
とはにかんだ笑顔は、店では見ることの出来ないものだった。


