偶然合ってしまった瞳は、何事もなくそらすには二人はまったくの他人ではなかった。
といっても常連客と店員の関係以外のなにものでもなかった。
仕方なくなのか彼は
「やあ」と声をかけた。
「こんばんは」と私も間の抜けた返事をした。
「続きがどうしても気になってしまってね」
彼は文庫本を少し振りながら、街灯の下で立って本を読むという奇妙な光景の言い訳をした。