ガチャッ

ヒタ‥‥ヒタ‥‥ヒタ‥‥‥‥



あのクウらしき男の居る部屋、リビングに向かう。ヒタヒタと静かな廊下を歩く、
忍は 凄い事に巻き込まれた、猫を持って帰らなければ良かった等と後悔しながら。
ドク‥‥ドク‥‥と心臓が鳴っていた。

キィ‥‥


ドアを開けるとそこには、
私のパーカーを着たあの男が座っていた。


「おかえり。」

そう言われるとただいまを言いざる負えない。


それより聞きたいことがある、やはりそれは。


「あ、貴方‥‥誰?」


「誰って、君が家に連れてきたんじゃないか。」

こんなイケメン連れ込んだ覚えはない
だが、頭の中が真っ白な忍は何も言えず、立ち尽くすだけ。
男‥‥クウは立ち上がりそばによる。
袖から白くて細い透き通るような腕を出し、長い指で忍の唇をなぞる。


「さっきのチュー‥‥美味しかったなァ‥‥?」


抵抗しようとすると

「暴れないでよ~w力抜いて‥‥?最初は緩くするから‥‥ね?御主人‥‥サ・マ♡」



そう耳に吹き掛ける
頭は真っ白、顔は真っ赤で。

もう、抵抗しても無駄だな‥‥


そう感じた忍は
身を任せてしまった。

クウは忍の腰に手をやり、片方で頬を抑えた。
唇が触れ、何回か触れた後。

忍の口を舌で開ければ、舌が入る。
舌と舌が触れたりすれば、唾液がクチュクチュと音を立て。もう戻ることはできない。

自分が今誰と何をやっているのかすらも、分からなくなる。
自分の唾液と混ざり溶けてしまいそうで怖い。

色々な角度からの攻めで、胸が熱い。

もうダメだと思った時には、唇が離れていた。



「んっ‥‥っふぅ‥‥美味しかった‥‥‥‥
ご馳走様デシタ」



すると、水道に行き。お湯を出して。
顔にチャパチャパかける。

シュルシュルシュル

とクウがちいさくなって。
最初の、猫の姿に戻ったのだ。