「今日はありがとう!じゃあ‥‥皆!
私は自分の家、帰るね!!」

外は大雨

「傘持ってきたか?お、俺持ってるから入れてやろうk「大丈夫!折りたたみ傘持ってるから!」」

じゃあねとブンブン手を振り、店を出た。
折りたたみ傘を広げ、空を見上げた。
やっと一人暮らしが出来る。
その言葉しか頭に無かった忍は、大雨でもアパートに行く道だけが明るく見える。
曲がり角に大きな公園、すると。

ガサガサッ

ビクッ
驚いて音が鳴った方を見るが、暗くて見えない。
怖いのは苦手だが、少し気になってしまったので。雨の中傘をさして公園に入る。

音が鳴った草むらに行くと
ドクドクと心臓が動く、どんどん近付くにつれて心臓の動くスピードが早まる。

草をガサッと掻き分けると


お化けでも幽霊でも妖怪でもない。

〝マァーォ‥‥マァーォ‥〟

小さい声で鳴く猫だった。
雨でビショビショで如何にも寒そう、耳はたれ、目はもうトロンとしている。
近くにはダンボール
そう、捨て猫だった。

「可哀想‥‥、雨の中大変だったわよね‥‥。」

忍はバッグからタオルを取り出し、猫を拭いて。抱き抱えそのままアパートへ向かった。