可愛い俺の仔猫ちゃん

そんな元日はなんだかんだであっという間に過ぎて、次の日の朝9時、2人は高速バスの中にいた。

「んー…」

「眠い?」

朝早く起きた所為か目をこすりながら欠伸をする月陽。

「うん」

「眠ってどうぞ」

空月はそう言うと月陽の頭を自分の肩に寄せた。そうすると、無理な体勢にも関わらず、すぐに寝息を立て始めた。

そんな妹を見て兄は目を細めて、少し微笑む。

2人がバスを降りたのは昼前。

「こっからはおじいちゃんが迎えに来てくれるはずなんだけど…」

バスが停まった駅でうろうろする空月と月陽。

「空月、なんか雨降りそうだね」

「うん。折り畳み傘ならあるけど大丈夫かな」

空は黒い雲に覆われていた。

「あ!空月、あれ!」

月陽が指差した方向にはベージュのズボンに青いシャツを着た老人がいた。

「空月、月陽、久しぶりじゃの。元気か?」

「おじいちゃんお久しぶり!!元気だよ!あけましておめでとうございます」

「あけましておめでとうございます」

「あけましておめでとう。よく来てくれたな。さぁ、家に向かおう」