可愛い俺の仔猫ちゃん

「でも学校は行かなきゃ。昨日も私のせいで休んだから…」

そう言って目を伏せる。

「大丈夫だよ。昨日も月陽が寝てる間にちゃんと勉強したし」

確かに翔輝は学校でも上位5位以内には入るぐらいの頭の持ち主。月陽もよく勉強を教えてもらっている。

「うーん…」

「だからもう少し寝てろ」

「んーん、寝ないよ」

首を振って寝ることを拒否する。

「どうして、まだ熱下がってないだろ?」

「でももう苦しくないし、寝なくてもいいもん」

そう言って、部屋を出て歯磨きと洗顔をし出した。そんな月陽が眠りたくないのは別の理由があった。

「月陽?」

部屋に戻ってきた月陽をベッドに座らせた翔輝に顔を近づけられて、疑うような顔で月陽を見る。

「な、な何…?」

「寝たくないのはそんな理由じゃないだろ、嘘はダメ」

そう言って月陽の後頭部に手をやり、そのまま抱き締めると月陽が嗚咽をあげて、泣き始めた。

「寝ちゃ、った…ら、夢っ、見るか、ら…おと、うさ…んと、お母さ…んっの…ふぇえ…」

「そっか…」

翔輝にはポンポンと背中を叩きながら、それしか言うことができなかった。

ーーーー….…

12年前、空月と月陽が5歳で翔輝が7歳の時の話。