嘘とワンダーランド

「オヨヨ?」

画面を見た京やんは不思議そうに首を傾げた。

「どうしたの?

何かあった?」

そう聞いたわたしに、
「課長から今日は直帰でいいって言うメールがきてた」

京やんはスマートフォンをわたしに見せてきた。

『少し早いかも知れないけど、今日は取引先からまっすぐに家に帰ってもいいぞ』

宛先を見ると、課長のパソコンのメールアドレスだった。

「ホントだ…」

京やんのスマートフォンに届いていた課長からのメールに、わたしは呟いた。

「あの暴君課長が…。

一体どう言う風の吹き回しなんだ?」

呟いた後、京やんはスマートフォンをジャケットの胸ポケットに入れた。

「明日は台風がきそうだな。

ま、台風がくりゃ会社が休みになるからいいけど」

京やんはそう言った後、わたしに視線を向けた。