嘘とワンダーランド

「あ、うん…」

呟くように返事をすると、京やんと一緒に取引先へと向かった。

もしかしたら、わたしは本当は何にも失っていないのかも知れない。


「はあ、やっと終わったなあ」

京やんと一緒に取引先の会社を後にすると、京やんは両腕を上にあげた。

「この調子だと、プレゼンもうまく行きそうだね」

そう言ったわたしに、
「あー、どうしよう。

今日から夜眠れねーかも」

京やんが息を吐いた。

「大丈夫よ、きっとうまく行くって!」

そう言って、わたしは京やんの肩をたたいた。

「ハハ、励みになるよ。

そうだ、課長に連絡っと」

京やんは思い出したと言うようにスマートフォンを取り出した。