嘘とワンダーランド

走って会社につくと、
「この調子で行けば、何とか間にあいそうだな」

エレベーターがくるのを待ちながら京やんが言った。

「そうだね、えーっと…」

ズボンのポケットからスマートフォンを出して時間の確認をしようとしたら、
「あら?」

メールが1件きていることに気づいた。

「どうした?」

京やんが気づいたと言うように声をかけてきた。

指で画面をタップしてメールを見ると、圭介からだった。

「圭介からメールがきてる」

そう言ったわたしに、
「ほーっ」

京やんが画面を覗き込んできた。

「って、近い近い!」

バシバシと京やんの頭をたたいて、画面を遠ざけた。

「痛い痛い、加減を考えろ」

京やんは逃げるようにわたしから離れた。