嘘とワンダーランド

そんな彼らの様子に、わたしはよかったとホッと胸をなで下ろした。

どうなってしまうかと思ったけれど、うまく行ったと心の底から思った。

「和解できたみたいで、よかったな」

そう言った課長に視線を向けると、眼鏡越しの目が潤んでいた。

「もしかしなくても、泣いてるの?」

そう聞いたわたしに、
「目にゴミが入っただけだ」

そう答えた後、課長は潤んだ目を隠すようにわたしに背中を見せた。

ずずっと、背中を向けた彼から洟をすする音が聞こえた。

お姉ちゃんたちに気づかれないように、わたしは課長にハンカチを差し出した。

「ヂーン!」

そのとたん、盛大に鼻をかんだ音が聞こえた。

そのハンカチ、お気に入りなのに…。