嘘とワンダーランド

自己紹介をした伊園さんに、お父さんは大きく目を見開いた。

「お前が早苗を…!」

そう呟いたお父さんに、
「はい、申し訳ありませんでした」

伊園さんはもう1度頭を下げると、お父さんを見つめた。

お父さんに殴られる覚悟はできていると言うように、伊園さんは膝のうえでこぶしを作った。

その展開に、わたしたちは思わずお互いの顔を見あわせた。

「お父さん、直景くんは悪くないの…。

だから、殴るのはやめて…」

お姉ちゃんがお父さんに言った。

「早苗、その子は…?」

お父さんがお姉ちゃんの腕の中にいる和也くんの存在に気づいた。

「私と直景くんの息子、和也って言うの。

正真正銘のお父さんの孫だよ」

お姉ちゃんが和也くんの顔をお父さんに見せた。