嘘とワンダーランド

「早苗なのね!?」

もう1度名前を呼んだお母さんに、お姉ちゃんは今度は首を縦に振ってうなずいた。

お母さんは早足でお姉ちゃんの元へと歩み寄ると、
「今までどこへ行ってたの?

お母さん、心配していたのよ?」

お姉ちゃんに言った。

そう言ったお母さんに、
「――ごめんなさい、お母さん…」

お姉ちゃんは呟くように謝った。

お母さんはホッとしたと言うように、だけど泣きそうな顔で微笑んだ。

「いいのよ。

早苗が帰ってきてくれたなら、それでいいから」

そう言った後、今度は伊園さんの存在に気づいた。

「あ、どうも…」

お母さんと目があうと、伊園さんは小さく会釈をした。

今度はお母さんと伊園さんの反応を見守ることになった。