嘘とワンダーランド

「では、お言葉に甘えまして…。

それから、改めてよろしくお願いします」

そう言って頭を下げた伊園さんに、
「こちらこそ、よろしくお願いします」

課長も頭を下げた。

お姉ちゃんたちを家の前まで送ると、車に乗っているのはわたしと課長の2人だけになった。

さっきまで4人で同じ車に乗っていたから、課長と2人だけになってしまったのは何だかおかしな感じがした。

もう少しだけ、お姉ちゃんと再会した喜びをわかちあいたかったな。

そう思っていたら、
「何だか変な感じだな」

課長が言った。

「何が?」

そう聞いたわたしに、
「正直、驚いているんだ。

いきなり兄姉ができたから」
と、課長が答えた。

「ああ、そう…」

そう言った課長に、わたしは彼が1人っ子だったと言うことを思い出した。