嘘とワンダーランド

そう答えたわたしに、お姉ちゃんは目を伏せた。

赤ちゃんを抱いているその手は震えていた。

「お姉ちゃん」

わたしはお姉ちゃんの顔を覗き込んだ。

「わたし、お姉ちゃんのことを恨んでないよ」

そう言ったわたしに、お姉ちゃんが驚いたと言うように顔をあげた。

「確かに、最初は怒ったよ。

でもお姉ちゃんにつきあっている人がいたこと、そのうえ妊娠していたことを知らなかったわたしもわたしだった。

だけど、わたしは正文さんと結婚できてよかったって思ってるから」

お姉ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。

「お姉ちゃんを許してくれるの?」

呟くように聞いてきたお姉ちゃんに、
「当たり前だよ」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。