嘘とワンダーランド

「ウソじゃないよ。

お姉ちゃん、伊園さんに言ったんでしょ?

自分の身に何かあったら、わたしに電話して欲しいって」

「で、でも…」

「何かあったならあったって、はっきりと言ったらどうなんだ?」

何かを言おうとしたお姉ちゃんをさえぎるように、課長が言った。

お姉ちゃんが課長の存在に気づいた。

「その人は…?」

課長を指差して聞いてきたお姉ちゃんに、
「申し遅れました。

若菜の夫の朽木正文と申します」

課長が自己紹介をした。

「朽木…!?

若菜、まさか…?」

驚いた顔で聞いてきたお姉ちゃんに、
「そのまさかだよ。

わたし、半年前に正文さんと結婚したの」

わたしは答えた。