嘘とワンダーランド

「いただきます」

両手をあわせて言った後、スプーンを手に持った。

久しぶりに食べた牛丼はやはり美味しかった。

「うん、うまい」

京やんはそう呟くと、ガツガツと牛丼をかきこんだ。

何だかんだと文句を言いながらも、喜んで食べているようだ。

そんな彼を見ながらスプーンで牛丼を口に入れていたら、
「あ、そうだ」

京やんが思い出したと言うように言った。

「何よ?」

そう聞いたわたしに、
「今月の終わりにあるプレゼンが成功したらさ、『東京カントリーホテル』でやってるスイーツバイキングに行かねーか?」

京やんが言ったので、
「何でスイーツなの?」

わたしは聞き返した。