嘘とワンダーランド

『今すぐ資料室へこい』

相変わらず、絵文字もなければ顔文字もないメールだ。

でも課長らしいから、それでいいんだけどね。

それよりも、
「今から!?」

スマートフォンをポケットに入れると、走って会社へと足を向かわせた。

駆け込むように資料室へ入ると、
「遅い」

「ごめんなさい…」

本棚にもたれかかっている課長に怒られた。

「それで、あの…」

質問しようとしたわたしをさえぎるように、課長が抱きしめてきた。

「えっ、あの…!?」

ここ、会社です!

そう言おうとしたわたしの頭の中を読んだと言うように、
「夫婦なんだから、どこでイチャイチャしてたって構わないだろ?」

課長が言った。